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五臓と皮膚の健康状態との関連(肝)

春分の日が過ぎ、夜より昼の方が長くなりました。
一雨ごとに暖かくなる季節。朝晩は冷たい日もありますが、日中は半袖で良いほど暖かい日。
桜も散り(地域によってはまだ)いよいよ春本番です!

春の季節に影響力を発揮する臓器とは?

実は我々人間も、季節の移り変わりと共に知らず知らず体の中の状態が変化しています。
その変化が急激だったり、遅かったりすると、様々な不快な症状として現れてくることがあります。

実は我々人間も、季節の移り変わりと共に知らず知らず体の中の状態が変化しています。
その変化が急激だったり、遅かったりすると、様々な不快な症状として現れてくることがあります。

例えば、頭痛、吐き気、めまい、筋肉や関節の痛み、月経痛、イライラするなど。
この季節に見られやすい症状です。
思い当たる方もいるのではないでしょうか?

そんな春の季節に最も影響力を発揮する臓器があります。

それはズバリ、
【肝(かん)】です。

特別コラムの第1回では、人の生命活動を支えているのは、五臓の働きで作られ体の中と外で働く「気」だとお伝えしました。

そんな【肝】は、生命活動の根本である「気」の働きにとって重要な役割を果たしているのです!
今回は、【肝】の機能を紹介して体に現れる変化にも触れながら、皆様の健康に役立つ内容をお届けいたします。

肝臓

東洋医学でいう【肝】は次のような働きがあるとされています。

・全身へ気や血や体液が広がっていくように移動させる機能=疏泄(そせつ)と言います

・気血が体の中を昇ったり降りたり、組織や細胞に入ったり出たりして酸素や栄養を循環させる=気機(きき)の調節と言います

・血を貯蔵して、体内のどこにどのくらいの血量が必要かを判断して、適切な量の血を供給する機能=蔵血(ぞうけつ)と言います

その他に、食物の消化や吸収を助ける機能や情緒を安定させる機能などがあります。

これら重要な肝の機能が低下すると、私たちは一体どうなってしまうのか、、、。
実際に体調が悪くなってしまうその前に、対処できるヒントも交えながらご紹介していきますね!

ところで最近、こんな症状が気になっていませんか?

「特にぶつけた覚えも無いのに、腕や脚に内出血ができやすい。」
「生理周期が不安定で、生理痛が辛い。」
「痰がらみの咳がなかなか治らない。」
「気持ちが落ち込んだり、不安感が強くなったり、イライラと怒りっぽくなるなど情緒が不安定。」
「怪我をしやすくなった。」

これらの症状は、あなたの【肝】が不調で現れているのかも知れません。
【肝】の健康状態は、こんな所でチェックできます↓
○筋・・・(腱、靭帯、筋膜のこと)関節を動かすと痛い。動かしにくい。脚がつる。手や足が痺れる。
○爪・・・スジが入っている。割れやすくなっている。変形している。
○目・・・かすんで見え難い。乾いて痛い。充血している。突然涙が出る。

もし、気になる症状と【肝】の健康チェックで当てはまるものがあるなら、
こんなケアを試してみましょう!  

「肝」のセルフケア

運動・・・植物が枝葉を伸ばす春は、私たち人間も内から外へ気を発散していきます。この季節に、外に出ず声も出さず家にこもっていると、自ずと【肝】が不調になります。外へ出て散歩やジョギングをする。出れない時は、家の中でできるストレッチなどの運動をする。それも出来ない時は、仰向けで寝たまま深呼吸(腹式呼吸)をする。
運動して汗をかいたら、お風呂でしっかり洗い流しましょう。お肌を守りながら清潔に保てる
HOLOピュアソープで。

指先の保湿・・・手足の指先の肌荒れやささくれを改善すると、爪の状態が良くなります。手足の指先にもHOLOピュアクリームをたっぷり塗って、爪を元気に保ちましょう。

食べ物・・・アルコールや甘いものは控えて、「筍」や「黒ごま」を食べましょう。肝の働きを助けて解毒作用を促します。この時期に採れる山菜などもオススメです!

決断力が問われる場面では肝と胆の状態が左右する

前回も触れましたが、東洋医学では内臓はペアを組んでお互いの機能を助け合うとされています。
【肝】と助け合っているのは、「胆」なのです。
肝の気で作られるのが胆汁(たんじゅう)です。胆汁を一時的に蓄えて、食物の消化を助けるのが胆のうです。
肝と胆は、協力しあって食物の消化吸収を助けているのです。
それだけでなく、私たちが「考えをめぐらせて、決断を下す。」ことにも肝と胆は関与しているのです。
「肝は謀慮をつかさどる。」「胆は決断をつかさどる。」と言われ、決断力が問われる場面では肝と胆の調子を整えておくと良いでしょう。

肝を助ける指圧のツボ

太衝(たいしょう)
太衝(たいしょう)

「太衝(たいしょう)」・・・足の甲。親指と人差し指から続く骨の合わさるところ。ズーンと響くところ。消化も助ける。

偏頭痛予防のツボ

風池(ふうち)
風池(ふうち)

「風池(ふうち)」・・・後頭部の首の付け根。両方のくぼみ。気持ち良く響くところを指でもみほぐす。偏頭痛の予防にも。

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このコラムの監修者

 

鍼灸roomきゅうあん 代表四元 智己 先生

国家資格: 鍼師、灸師、あん摩マッサージ指圧師
出身大学: 成蹊大学工学部(体育会ラグビー部所属)

<経歴>
成蹊大学工学部卒(体育会ラグビー部所属)
外資系医療機器メーカーにエンジニアとして勤務
難病を患った父との闘病生活をきっかけに東洋医学の道を志す
東京衛生学園専門学校東洋医療総合学科へ入学
働きながら夜間部に通い同校を首席で卒業
福岡県太宰府市できゅうあん鍼灸治療院を開業
福岡県鍼灸マッサージ師会会員